第37章 証拠を十分に残しておいて

白上流の言葉がまだ終わらないうちに、陸川北斗が軽やかに笑った。「礼?もちろん、してもらわないとな」続けて言う。「景陽のところは人手が足りなくて困っているらしい。お前はうってつけだと思うぞ。ちょうどいい、行って鍛えてこい」

陸川景陽のところへ行かされると聞き、白上流の顔色は瞬く間に真っ青になった。「北斗兄さん、それって恩返しじゃなくて仇討ちじゃないか!あそこは人の……」

白上流の泣き言が終わる前に、陸川北斗は電話をかけた。「夏目緑、白上若様の準備を頼む」

……白上流は泣くに泣けない。「北斗兄さん、俺が何か間違ったことでも?直します、直しますから、それで勘弁してもらえませんか?」

「柊木...

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