第77章 使ったものは不要でも私のもの

「ええ、認めるわ。私がここに来たのは望月良秀と密会するためよ。どうせ私は昔から尻軽な女だもの。あなた、陸川北斗まで誘惑したくらいなんだから。昔、あなたのお父様を騙して私と結婚するように仕向けた時点で、もう分かってたんじゃないの?」

そこまで言うと、天樹夢子の胃は痙攣するようにずきずきと痛みだした。それでも、陸川北斗の前でそれを見せるわけにはいかない。

女の弱さなんて、気にかけてくれる男の前でしか意味がない。自ら辱めを受ける必要はないのだ。

「天樹夢子、随分と正直だな」陸川北斗が彼女を掴む手に力がこもる。天樹夢子の顔がさっと青ざめたが、それでも強がって言った。「良秀が帰ってきたのよ。あな...

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