第117章 子供を持たず、責任を取らない

久保湘子が目を覚ました時、彼女は手術台の上に横たわっていた。

脚はベッドの両脇に固定され、青い手術着を着た医療スタッフが術前の準備を進めている。

看護師の一人が腕に注射をしようとするのを見て、彼女は勢いよく身を起こした。

「私に触らないで」

医療スタッフは皆、彼女の反応にぎょっとした。

彼女はパニック状態でベッドから這い降りると、なりふり構わず手術室の外へと駆け出した。

廊下で待っていた渋谷奕は、彼女が飛び出してくるのを見て、瞳をぐっと見開いた。彼女は一枚の病衣をまとっているだけで、下は何も穿いておらず、白く長い脚が剥き出しになっていたからだ。

幸い、上着の丈は十分長かったが……...

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