地獄へようこそ

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Williane Kassia · 連載中 · 354.3k 文字

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紹介

婚約者がいて、ノンケで、輝かしい未来が約束された普通の男。
だが、たった一つの裏切りが、そのすべてを粉々に打ち砕いた。

愛した女と実の弟に濡れ衣を着せられ、彼が堕とされたのは想像を絶する最悪の場所――ルールなど存在せず、危険が形を成し、飢えた瞳で獲物を狙う刑務所だった。

そこで彼が同房となったのは、所内で最も恐れられている男。

支配的で、強烈で、異常なほどの執着心を持つ男。

そしてその男が、彼を欲しているのだ。

愛ゆえではない。
慈悲などない。
あるのはただ、純粋で容赦のない欲望だけ。

法も、逃げ場も、救い手もいない世界。彼は狼に狙われた一匹のウサギとなり、その指先に翻弄され、快楽の虜となっていく……抗うことなど、もはや不可能なほどに。

なぜなら時に、怪物だけが教えてくれるからだ――本当の意味で「生きている」という感覚を。

チャプター 1

イライジャ・ヴォーン

仕事を終えて外に出ると、夜の空気は肌を刺すように冷たかった。時計はすでに十一時を回っており、疲労がずっしりと体にのしかかっていた。大学と仕事の両立は、まさに疲労との絶え間ない戦いだ。だがその瞬間、俺が望んでいたのはただ一つ。家に帰り、熱いシャワーを浴び、腹を満たし、そして泥のように眠ることだけだった。

今日は恋人と話す時間さえ取れなかった。実のところ、ここしばらくサブリナの様子がおかしいのだ。俺たちが付き合い始めてから二年になる。出会いは市立図書館――俺が自由時間のほとんどを勉強に費やしていた、あの静かな聖域だった。

だが最近の彼女はどこかよそよそしく、返事も素っ気ない。その表情からは感情が読み取れなくなっていた。俺はただの一時的なものだと信じ、気にしないように努めていたのだが。

兄弟であるデイビッドのことも、ずっと頭の片隅にあった。彼がなぜあれほどまでに俺を軽蔑するのか、理解できた試しがない。子供の頃から、俺は良き兄弟であろうと最善を尽くしてきた。だがその見返りは、侮辱と冷淡な態度だけだった。

父はよく「兄弟喧嘩なんて普通のことだ」と言っていたが、デイビッドとの関係は単なる子供じみた対抗意識などではなかった。そこにはもっと深い何か――俺には到底理解できない、根深い恨みのようなものが渦巻いていた。

テネブラエの通りを歩きながら、俺は街の景色を眺めた。「闇」を意味するその名は、陰鬱で退廃的な場所を求める観光客を引き寄せていた。だが、彼らの認識は間違っている。テネブラエは、荘厳な建築と息をのむような景観に満ちた、美しい街なのだ。

しかし、ここに住む者は真実を知っている。その美しさの皮を剥げば、そこにあるのは無法地帯だ。犯罪が日常茶飯事のように行われ、誰もその責任を問われない。窃盗、殺人、暴力……すべてが日常の一部だった。

だからこそ、俺は必死で金を貯めていた。ここから抜け出すために。テネブラエに未来など描けない。俺にできる最善のことは、この街を去ることだけだった。

角を曲がり、自宅が見えた瞬間――ただならぬ気配を感じ取った。家の前にパトカーが停まっている。心臓が激しく脈打ち始めた。

母さんか父さんの身に何かが起きたのか?

それとも、デイビッドか?

俺は足を速めた。全身を緊張が駆け巡る。

家の中に足を踏み入れた瞬間、目の前の光景に強烈な衝撃を受けた。サブリナがデイビッドの腕に抱かれ、泣き崩れている。その側では両親が涙を流して座り込み、二人の警官が険しい表情で俺を睨みつけていた。

「一体、何があったんだ?」

恐怖が腹の底から湧き上がってくるのを感じながらも、俺は努めて気丈に尋ねた。

だが、答えが返ってくる前に、俺は乱暴に地面へと突き飛ばされた。顔が冷たい床に打ち付けられる。背中に重い手がのしかかり、手首に手錠が食い込んだ。

「俺は何もしてない!」俺は叫び、必死に抵抗した。「一体どうなってるんだよ!」

警官の一人が俺を引き立たせ、その冷酷な瞳で俺を見据えた。

「恋人に対する性的暴行の容疑で逮捕する」

思考が凍りついた。

心臓が一瞬止まり、次の瞬間には早鐘のように激しく打ち始めた。

「なんだって!?」衝撃で声が震える。「サブリナ!」

俺は彼女の顔を覗き込み、必死に否定の言葉を待った。だが彼女はさらに激しく泣きじゃくり、デイビッドにしがみつくだけだ。膝から力が抜けていく。俺は彼女を知っている。二年間、彼女に声を荒らげたことさえ一度もなかった。どうしてこんな濡れ衣を着せるんだ?

「俺はやってない! 本当のことを言ってくれ!」俺は懇願した。

彼女は助けを求めるように、デイビッドの胸に身を縮めた。

兄弟の瞳が、嫌悪に燃えている。

「お前は化け物だ、イライジャ! よくも彼女にこんな真似ができたな!? この最低野郎が!」

俺は振り返り、両親に救いを求めた。彼らなら信じてくれる。信じてくれるはずだ。

「母さん! 父さん! 俺がそんなこと絶対にしないって分かってるだろ! 俺を知ってるはずだ!」

母さんは泣きながら顔を背けた。父さんは俺と目を合わせようともしない。そしてその瞬間、残酷で魂を砕くような真実が俺を打ちのめした。

彼らは、信じてしまったのだ。

彼らにとって、俺はもう化け物になってしまったのだ。

胃が裏返るような吐き気と共に、冷たい虚無感が胸を引き裂いた。

警官たちが俺を家の外へと引きずり出す。俺は抵抗したが、無駄だった。

「離せ! 何かの間違いだ! 俺はやってない!」俺の叫び声は錯乱していった。

その時、腹部に強烈な拳が叩き込まれた。肺から空気が強制的に吐き出され、激痛に体がくの字に折れ曲がる。膝が地面に落ちた。

「黙りやがれ!」警官が怒鳴る。

俺はゴミのようにパトカーの後部座席に放り込まれた。ドアが大きな音を立てて閉められる。窓越しに見えた最後の光景は、泣き叫ぶ母と、満足げに薄ら笑いを浮かべるデイビッド、そして彼の胸に顔を埋めるサブリナの姿だった。

頭が混乱し、今起きたことを処理しきれない。すべてがあまりにも早く崩れ去ってしまった。だが、一つだけ確かなことがあった。

俺の人生は、終わったのだ。

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