第5章
カタリーナ視点
彼は血だまりの中に崩れ落ちた。胸元からどす黒い血がとめどなく溢れ出している。
私は彼のもとへ駆け寄り、その頭を腕の中に抱きかかえた。「死なないで! お願い、死なないで!」
私の腕の中で横たわる彼の瞳は、すでに焦点が合わなくなり始めていた。
「ディミトリ! お願い!」彼の呼吸が弱まっていくのがわかる。「行かないで! 私を置いていかないで!」
「若様をお連れしろ!」護衛が発砲しながら叫ぶ。「今すぐ脱出するんだ!」
護衛の援護射撃のもと、数人のヴォルコフ家の男たちが駆け寄り、ディミトリを運び出した。
最後に私の目に焼き付いたのは、生き残った部下たちに抱え上げ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
