第5章

暗闇の中、俺は越沼玲の手に導かれていた。彼女は俺の侵食を止めようとはしない。その無言の許しが、俺の欲望の炎に油を注いだ。指先が、ついに彼女の服の下の柔らかな素肌に触れた瞬間、玲の息が、かすかに乱れた。

「北瀬さん」

彼女は震える声で囁いた。

「ここ、暗すぎてよく見えないわ……」

その言葉を口実に、玲はそっと身体を寄せてくる。密着した肌から伝わる熱と、髪から漂う甘く上品な香りが俺の思考を麻痺させる。彼女の指先が、今度は探るように俺の服に触れ、ゆっくりとベルトの方へと滑っていく。そのあまりにも軽やかな感触は、しかし、抗いがたい誘惑を秘めていた。

「玲、さん……」

思わず、名前...

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