第21章
「隆太……」
藤原宴は隆太に向かって手を伸ばした。「パパはここにいるよ」
それで隆太の情緒はやっと少し落ち着いた。
「ママ、ママが危ない……」
隆太はむせび泣きながら言った。
この言葉を聞いて、藤原宴は少し戸惑った。
母子は心が通じ合うというが、もしかして隆太の実母が本当に何か困ったことに遭遇しているのだろうか?
隆太の爪は深く掌に食い込み、鮮血が手首から一滴また一滴と落ちていった。
「パパ、ママを助けて、ママが危ないんだ!」
言い終わると、隆太はさらに制御不能になり、頭皮を掻きむしり、血の跡がついても手を離そうとしなかった。
藤原宴は前に出て隆太を抱きしめ、自傷行為を止...
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3. 第3章
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