第103章 無責任なクズ女

北村萌花はしばらくの間、彼の腕の中で呆然としていたが、ようやく我に返った。佐藤健志の顔に浮かぶ笑みを目にした瞬間、彼女は慌てて浴槽から這い出し、脱兎のごとく風呂場から逃げ出した。

「北村先生、今回は酔ってないだろ? まさか明日になって、また今夜のことを忘れたりしないよな」

 北村萌花は何も答えず、着替えをひっつかんで体に巻き付けると、泥棒のような足取りで部屋を飛び出した。

 佐藤健志は呆れたように首を振る。

「まったく、無責任な女だ」

 北村萌花は自分の部屋に戻るなり素早く鍵をかけ、胸元を両手で押さえた。心臓が口から飛び出しそうだった。

 一体どうしてしまったの? かつて誇りに思...

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