第117章 君を食べたい

北村萌花は憤然として身をよじった。

「あなたって本当に最低。こんな時まで嘘をつくなんて……早く放してよ」

 佐藤健志は逃がすまいと腕に力を込め、彼女のうなじに顔を埋める。

「動くな。でないと、キスするぞ」

「そんな理不尽なことってある? 見舞いになんか来なければよかった」

 佐藤健志は彼女の顎を指先ですくい上げ、その瞳を甘やかな色で満たして見つめ返す。

「見舞いに来たんだろ? だからもっとよく見せてやってるだけさ」

 北村萌花は顔を背けた。

「……気障なこと言わないで」

「北村先生、いい匂いだ」

「今日オペがあったから、シャワー浴びてきたのよ」

 佐藤健志は彼女を軽々と...

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