第118章 野良猫がまた来た

佐藤健志は前方に目障りな人影があることに気づくと、すぐに部下の下村賢太に目配せをした。北村萌花と鉢合わせして、また面倒な揉め事に発展するのを未然に防ぐため、下村に相手を任せたのだ。

 まさに同じことを考えていた北村萌花は、感謝の眼差しを向けた。

「気が利くじゃない」

「俺の女に纏わりつかれるのは不愉快だからな」

 佐藤健志が平然と言い放つと、萌花は呆れたように白目をむいた。

「よくそんなキザな台詞が言えるわね」

「で? 俺のこと、好きか?」

「またそれ? いちいちくだらないこと聞かないでよ」

「北村さんは本当に薄情な女だな。抱かれるだけ抱かれて、用が済んだら忘れる気か?」

...

ログインして続きを読む