第12章 それではなぜあなたは死ななかったのか

 北村萌花は我慢の限界だった。「黙りなさい、この恩知らず!おばあ様が苦労してあなたを育ててくださったのに、田舎に置き去りにして知らんぷりなんて。天罰が下るのが怖くないの」

「き、貴様……」北村昇太は怒りで全身を震わせた。

 かつての北村萌花は素直で物分かりの良い子だったはずが、どういうわけか突然彼に反抗し始め、しまいには家を出て行ってしまった。彼としてはせいせいしていたし、いっそ放っておくことにしたのだ。

 今、彼が可愛い娘の北村菜々美のために正式な地位を勝ち取ってやろうと、北村萌花に離婚を迫っているのだが、彼女のこの横柄な態度を見るに、一筋縄ではいかなそうだ。

 部屋の空気はますま...

ログインして続きを読む