第121章 私の主権はあなたのもの

お祖母ちゃんは、北村萌花と、助手席から降りてきた佐藤健志を、どこか意味ありげな温かい眼差しで見つめていた。

光咲と由紀が、慌てて由佳の口を手で塞ぐ。

光咲は人差し指を唇に当て、声を潜めた。

「由佳、ひいお祖母ちゃんの前でそれは駄目だよ。ママが困るだろ」

由紀も同じ仕草をする。

「そうだよ。見てごらん、ママの顔が真っ赤になってる」

由佳は不満げに二人の兄の手を振り払い、頬を膨らませた。

「だって、お兄ちゃんたちが言ったじゃない。ママとイケオジがチューしたら、イケオジがパパになってくれるんでしょ?」

「だからって、今言うことじゃないだろ」

「そうだよ。虫歯を探してただけってこと...

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