第16章 これは命を懸けた質問

由紀也が言った。「ママはあんなに優しいのに、全然怖くないよ。君がママを怒らせるから怒られるんだ」

由佳は佐藤健志の側に立った。「でも、イケおじさんの言う通りだよ。ママは時々私にも厳しいもん」

光咲は呆れたように言った。「よく考えてみなよ。いつも君が言うことを聞かないから、ママがしつけてくれるんでしょ。君のためなんだよ」

由佳は納得がいかない様子だ。「とにかく、イケおじさんは悪い人じゃないもん。そんな風に言っちゃだめ」

由紀は嫌そうな顔をした。「僕たちだって、彼がママのことを悪く言うのは嫌だよ。君はよそ者の味方しちゃだめだ」

北村萌花がこれ以上放っておけば、子供たちは喧嘩を...

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