第32章 手が回らないのでゴミをあなたに送る

青木絵里香は相槌を打った。「国際学院は品行方正で学業優秀な子を募集するの。熊みたいな乱暴な子は要らないわ」

北村菜々美は悔しそうに地団駄を踏み、黙り込んでいる佐藤和也をつねった。

「和也さん、何か言ってよ。私がこんなふうに彼女たちにいじめられてるのを見てるだけなの」

佐藤和也には確かに言いたいことがあったが、躊躇していた。彼は北村萌花に目を向けた。「北村萌花、君と岡本源はどういう関係なんだ?」

北村萌花は一瞬呆気にとられた。岡本源という名前は聞いたことがある。帝都で有名な放蕩息子で、遊び人の二代目だ。周りには女が数えきれないほどいて、とんでもない浮気者だという。

北村菜々美...

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