第38章 けちな上に悪毒な女

佐藤健志が言った。「彼女を責めるのは筋違いだろ。おまえの女癖の悪さは有名なんだから。親友がおまえに捕まるんじゃないかって心配で手を出したんだ」

岡本源は信じられないといった様子だ。「俺みたいな誰からも愛されるイケメンが、悪人なわけないだろ」

「それはおまえの思い込みだ」佐藤健志は容赦なく切り捨てた。

庭から子供たちの興奮した声が聞こえてきた。北村萌花が帰ってきたのだ。佐藤健志は電話を切って身を隠した。

「マミー、見て! 塀の上の瓶を撃ち落とせるよ!」

光咲が待ちきれない様子でマミーに実演して見せる。

北村萌花は拍手した。「わあ、光咲、すごいわね!」

由紀は輪投げの輪を...

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