第43章 足の不自由な人またあばたになった

北村萌花はゆっくりとお湯を足し、手で温度を確かめ、ちょうどいい加減になったところで止めた。

佐藤健志は彼女の精巧な顔立ちをじっくりと眺める。湯気の中にいる彼女には、どこか朧げな美しさがあった。優しい時は水のようで、荒々しい時は雌虎のようだ。

「何をじろじろ見てるの」

「もちろん、北村先生が綺麗だからですよ」

北村萌花はぐっと顔を寄せた。「私が綺麗なのは知ってる。でも、変な気は起こさないでよね」

佐藤健志はとっくに起こしていた。どうすればいいんだ!

二時間後。

部屋の中から佐藤健志の悲鳴が響き渡った。

「あああ! 俺の顔が台無しだ!」

薬湯から上がった佐藤健志は、...

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