第61章 彼女が欲しい

佐藤健志はベッドの傍らで見守りながら、初めて自分に責任感が芽生えるのを感じていた。この女性を守りたい、と。

三十分後、北村萌花がしきりに暑いと口走り始めた。佐藤健志が近寄って彼女の額に触れると、先ほどよりは熱くないようだが、びっしょりと汗をかいている。

「北村萌花、大丈夫か」

北村萌花は目を半分だけ開き、頬を赤らめ、胸を絶え間なく上下させていた。苦しいのは見て取れたが、それでいて極上の魅力を放っており、人を罪に誘うかのようだ。

彼女の潤んだ唇が開き、蠱惑的な吐息が漏れる。

「ナナ、私、熱いの。服、脱がせて」

佐藤健志はどきりとした。「熱で頭がおかしくなったのか? 自分が何...

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