第64章 北村萌花が実力を証明する

美男美女の二人が科学研究所に現れたことで、人々の注目を幾分か集めた。

「隼人、本当は私一人で中に入れたんだけど」

青木隼人は彼女に微笑みかけ、優しく言った。「僕が君と一緒に行くのには、ちゃんとした理由があるんだ」

彼の仕事ぶりが常に堅実であることを思い出し、北村萌花はそれ以上何も言わなかった。

青木隼人がプロジェクトチーム会議室のドアをノックすると、中にはすでに多くの人材が集まり、プロジェクトの内容について話し合っていた。その中に、見知った顔があった。森村奏良だ。

「北村さん、どうしてあなたがここに」

森村奏良の訝しむような声色に、他の者たちの視線も集まる。この会議室にい...

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