第67章

もともとは北村萌花が佐藤玲子の執刀医だったため、今になって問題が起き、他の者たちが検査してもどこが悪いのか分からず、再び彼女を呼んで診てもらうしかなかったのだ。

北村萌花にしてみれば、理解はできる。自分が執刀した以上、最後まで責任を負うのは当然のことだ。

「分かりました。すぐ向かいます」

科学研究所は病院から遠くなく、北村萌花は車を十数分走らせて駆け付けた。

鈴木院長が入口で出迎え、最新の検査報告書を彼女に手渡し、患者の状況を詳しく説明する。

話を聞き終えた北村萌花は合点がいった。「あの時、他の手術と一緒にやってしまいましたからね。彼女の身体が弱りすぎて回復が追いつかず、恐...

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