第44章

食卓で、青木圭はブラックコーヒーを一口すすり、向かいに座る子供をじっと見つめていた。

江口辰は食卓椅子にきちんと座り、朝食を楽しんでいた。

その小さな体はまっすぐに伸びていた。

クリーム色のセットアップを着て、胸には大きなクマのプリントがあるにもかかわらず、彼の冷たい雰囲気はまったく損なわれていなかった。

青木圭はそんな「江口暖暖」を見つめ、わずかに眉をひそめた。

もしかして……昨日のことをまだ怒っているのだろうか?

青木圭は考え込みながらコーヒーカップを置き、珍しく気遣いの混じった声色で尋ねた。「昨日、転んで痛かった?」

辰ちゃんはその言葉を聞いて、目に一瞬異様な色が走り、す...

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