第11章

水原音子はやや緊張していた。両手を体の両側に垂らし、無意識にシーツを握りしめていた。

経験はなくとも、テレビや小説でそれなりに見聞きしていた。彼女は不安で、痛みも怖かった。

佐藤光弘は彼女の緊張を細やかに察知し、決定的な瞬間で動きを止めた。目を固く閉じている彼女を見つめ、「まだ心の準備ができていないなら、待ってもいい」

震える水原音子は言葉を聞くと、ぱっと目を開いた。彼の瞳に映るのは誠実さと尊重の眼差しだった。

大切にされているという感覚が彼女の胸を温かく満たし、首を横に振って手を緩め、腕を上げて彼の首に回した。「大丈夫だよ!続け...」

最後の言葉が口から出る前に、下腹部から突然...

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