第18章

「大丈夫よ。さより、私の言うことを聞いて。こんなに長く忙しかったんだから、この数日間はゆっくり休んだほうがいいわ。この時期が過ぎたら、休みたくても休めなくなるわよ」と彼女は冗談めかして言った。

彼女が頑なに断るのを見て、さよりはそれ以上勧めるのを止めた。

「わかったわ。私の電話番号は二つとも知ってるでしょう。仕事用のは切っておくから、何かあったらもう一方にかけてね」

「うん。楽しんできてね!」

電話を切ると、佐藤光弘が深い眼差しで自分を見つめているのに気づき、水原音子は自分の身なりを見下ろしたが、特に問題はないようだった。

「どうしたの?」

「彼女も巻き込まれないようにって、離れ...

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