第22章

水原音子は彼女を見つめ、唇の端に淡い笑みを浮かべた。

「本当に、ここで全てを明らかにしてほしいの?」

彼女はあまりにも平静だった。その静けさが江口羽衣の心を不安で満たしていく。

彼女は何をするつもり?!一体何をしようとしているの?!

しかし、もはや事態はここまで来てしまった。後には引けない。

江口羽衣は奥歯を噛みしめ、強がって言った。

「回りくどいことを言うな。私、江口羽衣は胸を張って生きてきたわ。この業界で、自分が特別な才能があるとは言わないけど、誰よりも努力してきた一人だわ。この数年、会社でどれだけのことをやってきたか、みんな見てきたはず。あなたが何を言っても、これは事実だ」...

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