第35章

タブレットの画面には、ツイッターが開かれていた。一見すると芸能ゴシップのようなものだが、水原音子はすぐに投稿者が有名なタレコミインフルエンサーだと気づき、思わず首を傾げて揶揄った。

「まさか佐藤社長がこんなゴシップ記事を見るなんて思いませんでした」

佐藤光弘は彼女を横目で睨みつけたが、何も言わなかった。

その視線に、水原音子は何か違和感を覚えた。改めて画面に目を向け、タレコミの内容をよく見てみると、なんと自分に関するものだった。

それは遠回しな表現など一切なく、彼女の名前を直接的に挙げたもので、主に大学時代からのことが暴露されていた。正確には、大学時代から社会人になるまでのことだ。そ...

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