第43章

「エッセンシャルオイル……」高橋遥斗は言葉を切った。「今朝方すでに送ったはずだが、足りないのか?」

「高橋社長、今朝のは品質が基準に達していないんです。使えないんです!」

「基準に達していない?研究室から直接運んだものが、基準に達していないだと?」リビングルームを行ったり来たりしながら、高橋遥斗はいらだちを隠せなかった。「お前たちの方で何か問題があって、責任転嫁しようとしているんじゃないのか?」

「そんなことありませんよ、高橋社長。最近は注文が増えて、工場の作業員は夜通しで働いています。すべて手順通りにやっていますし、それに工場はライン生産ですから、私たちの方で問題が起きるはずがありま...

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