第47章

「彼女が電話を切るのを見て、佐藤光弘が口を開いた。「付き添おうか?」

「大丈夫」水原音子は首を振り、さらに言った。「自分で対応できるから。それと、あなたから一人借りたいんだけど」

「ほう?」

——

高橋遥斗が待ち合わせた場所は、紫陽通りにあるカフェだった。

二人はかなり早く到着していて、ずっと入口の方を見つめていた。水原音子が入ってくるのを見た瞬間、高橋遥斗は思わず体を前に傾けた。江口羽衣に袖を引かれなければ、無意識のうちに立ち上がって彼女を出迎えるところだった。

彼女にそう引き止められて、我に返った。確かに今回は彼女の力を借りたいが、結局のところ勝負はまだついていない。自分はま...

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