第4章

早矢香の視点

 二十分後、正仁がドアを開けて入ってきた瞬間、私は迷わず彼に歩み寄った。

 そして、力任せに彼の頬を平手打ちした。

 彼は呆気にとられ、赤くなった頬を手で押さえながら私を睨みつけた。

「一体何を――」

「なぜ母さんの薬を止めたの?」

 私は声を震わせて問いただした。

「どうして?」

 彼の顔に一瞬、奇妙な表情が浮かび、すぐに消えた。

「何の話だ?」

 その顔を見て、もう一度殴りたくなった。

「しらばっくれるつもり!」

「早矢香――」

 彼はまだ困惑しているようだった。

「私はあなたの言う通りにすると言ったじゃない!」

 私は泣き崩れそうになるのを必...

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