第7章

正仁の視点

 正仁は呆然と圭一郎を見つめた。頭の中が真っ白になる。

「ここで何をしている?」

 圭一郎は冷笑した。

「私は早矢香の元恋人だ。お前が彼女を壊す前、私は彼女を深く愛していた」

 正仁は愕然とした。早矢香の元恋人? 平部家の当主である平部圭一郎が、まさか早矢香の元恋人だったとは?

 巨大な衝撃が正仁を襲った。よろめきそうになり、演台の端を強く掴んで耐える。

 これまでの長い時間、三年間の結婚生活の中で、早矢香は一度も、かつて愛した男が街で最も強力な一族の当主だとは言わなかった。

「知らなかったのか?」

 圭一郎の笑みが深まった。

「面白いな。彼女はお前のことなど...

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