第130章:戦争は始まった

サラ視点

数時間後に目を覚ますと、外には月が出ていた。レイは部屋の隅にある机に座って、書類に目を通している。頭が痛むのか、こめかみを揉んでいた。私はできるだけ静かにベッドを抜け出す。彼の後ろに歩み寄り、そのこめかみを揉んであげた。彼は私の両手をつかむと、自分の頭に押し当てながら言った。

「いいかい、お嬢さん。君はベッドにいるべきなんだがな」

「わかってる。でも、あなたの助けになりたかったの。私にできるのは、これくらいだから」

彼は優しく私を正面に回り込ませると、自分の膝の上に乗せた。不格好に体勢を崩してしまったけれど、彼がしっかりと受け止めてくれた。

「君の香りだけで、十分に癒される」...

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