第143章:楽しんで

キング・レイ視点

仔らが泣き始めた声で、俺は目を覚ました。サラは身じろぎもせず、起きる気配もない。俺が疲れさせてしまったのだろうな、と独りごちて笑う。もちろん、様々な要因が重なった結果だろう。だが、信頼を築くための最初のセッションの後で、彼女がこれほど深く眠ってくれたことには、嬉しい驚きを感じていた。彼女には、その存在のすべてで俺を信頼してほしい。感情も、精神状態も、そして肉体も。何があろうと、俺は決して彼女を傷つけないと知ってもらう必要があった。

彼女は、こんなにも短い時間で大きな進歩を遂げた。だが、俺は彼女を少しだけ後押ししたかった。彼女が全身全霊で俺を信頼するのが早ければ早いほど、良...

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