第149話かわいそうなプリンセス

レイ王視点

サラにホワイトリバー族の元へ戻ると伝えたときの彼女の反応を見て、これはまずいことになったと悟った。長い夜になるだろうと覚悟した。必ずや起こるであろう悪夢を阻止するため、俺はできる限りの手を尽くした。彼女を風呂に入れ、ベッドへ連れて行くと、眠りに落ちるまで抱きしめてやった。

まもなく、サラは寝返りを打ち始めた。眠りながら叫び声を上げ始めたのだ。背中をさすって落ち着かせようとしたが、効果はなかった。抱きしめてみても、彼女はまだ暴れていた。朝にはきっと痣だらけになっているだろう。彼女は命がけで抵抗していた。たとえそれが彼女の頭の中だけの出来事だとしても、現実に危険が迫っているわけではな...

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