第77章 逃兵を追跡する

往年のスコダ公爵の輝きは、誰もが目を逸らせぬほどであった。それゆえ、後に彼が毒に侵され亡くなったという報せを受けた時、多くのソース帝国の民がそれを受け入れられず、声を上げて涙したのだ。

トゥタンもその一人であった。

そして今、アネルの到来は、まるで分厚い暗雲を手で払い除け、再び日光を万人に降り注がせたかのようだった。

彼は思わず考えた。馬鹿な、俺がこんな小娘を次代の公爵だと見なすなんて、あり得るはずがない。

しかし、突如として群衆の中から兵士が小声で囁くのが聞こえてきた。

「この方、確かあの……あのゼヴィニール家の二振り目の宝剣だろ?」

「ああ、フリーデル様が直々に認められたと聞...

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