第11章

葉山萌香は嬉しそうに顔を輝かせ、すぐさま返事をした。「はい、今すぐ参ります」

「あんたの上司？誰だ？」鈴木悟は警戒心を露わにした。

「探してる人です」葉山萌香は小声で言った。

「鈴木さん、今日はありがとうございました。また機会があったら、お食事でもご馳走させてください」

そう言い残すと、葉山萌香はボディーガードについて行った。

しばらくして。

クルーズ船の豪華スイートルーム内。

「どこの会社の方？」青村華は振り返って葉山萌香を一瞥し、単刀直入に尋ねた。

「青村様、インベの者でございます」葉山萌香は答えた。

青村華は一瞬驚き、眉をひそめた。「ハープの演奏は素晴らしかった。感心...