第45章

特別室、広々とした空間。

窓際には、ソファも置かれていた。

高橋司はソファに深く腰掛け、日中に処理しきれなかった業務をいくつか片付けていた。

窓の外では、秋雨が絶え間なく降り続いていた。

鈴木清はすぐに帰ってしまった。

ジョーンズも気を利かせて外へ出ていった。

病室には、高橋司とヘーセウィだけが残された。

「司、退屈だったら帰っていいのよ。私は大丈夫だから」ヘーセウィが気遣うように言った。

「いいんだ、お前は休んでいろ」高橋司は顔も上げずに答えた。

仕事の処理が終わった。

彼はふと思い立ったように、葉山萌香のLINEを開いた。

以前なら、彼女が側にいない時、フライトの離...

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