第49章

彼女の言葉が落ちると、

場内は一瞬にして水を打ったように静まり返った。

青木琛は眉目を伏せ、思わず笑みを漏らした。

「葉山さんの理屈は、まったくもって理にかなっていますね」

「何のつもりだ?俺たちと話し合う気がないってことか?」先頭に立っていた村人が、ガバッと立ち上がり、テーブルを叩いた。

平村四広は慌てて取り繕った。

「落ち着いて!落ち着いてください!」

そう言いながら葉山萌香の方を見る。

「葉山さん、この件は本当によく話し合わないといけませんよ。感情的になっても仕方ありません。工期が遅れれば、損失は全て会社のものになるんですよ!」

葉山萌香は訝しげに平村四広を見た。

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