第53章

結局、葉山萌香は平村四広に自首するチャンスさえ与えなかった。

平村四広が事務所を出たとたん、やってきた警官に手錠をかけられて連行された。

「葉山萌香、お前みたいな女が冷酷非情でいると、いつか必ず天罰が下るぞ!」車に押し込まれる際も、平村四広は叫び続け、呪いの言葉を吐いていた。

青木琛は眉をひそめ、思わず葉山萌香の方を見た。

呪われた葉山萌香は、ひどく冷淡な表情をしていた。

彼は少し眉を上げた。

「こういうこと、いつ手配してたの?一言も言ってくれなかったじゃないか」

「私が担当している間に起きた問題だから、当然きれいに片付けてから青木社長に引き継ぐべきでしょう」葉山萌香は平静に言...

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