第56章

彼らの首に吊るされた剣は、大人しくしていさえすれば、無謀な行動を起こさなければ、永遠に落ちてくることはない。

「わかりました」

青木琛は頷いた。

そして笑顔で尋ねる。

「じゃあ、今から食堂でお昼にしますか?」

「???」

食堂で食事するだけなのに、なぜこんなに嬉しそうなの?

彼はここで純情男子を演じているつもりなの?

葉山萌香は軽く返事をした。

パソコンバッグを手に取り、外へ向かった。

数歩歩いたところで、後ろから誰かが彼女の手からパソコンバッグを取った。

「片手しか使えないんだから、無理しないで。俺が葉山さんのバッグを持ちますよ」

葉山萌香は彼を横目で見た。

わざ...

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