第60章

彼女の飛行機が着陸する時間を確認し、迎えに行くつもりだった。

ついでに、彼女が入ったばかりの新しい会社がどれほど面倒かについて愚痴をこぼした。

葉山萌香は笑いながら彼女を慰めた。

ふと外を見やると、一つの道路標識が目の前を過ぎ去った。

葉山萌香はハッとした。

今の標識に書かれていた方向は、もし間違っていなければ、空港とは反対方向のはずだ!

「ちょっと忘れた仕事があるから、後で連絡するね」

葉山萌香は電話を切った。

表情は相変わらず冷静そのもの。

携帯電話を開き、地図で標識に書かれていた地名を検索した。

やはり……

空港への方向ではなかった。

「運転手さん、サービスエリ...

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