第36章

車はすぐにレストランに到着し、すぐにドアマンが車のドアを開けに来た。

水原歩美はバッグを手に取り、個室の名前を告げると、すぐにウェイターが彼女を案内しに来た。

水原歩美が入口に着くと、中から会話の声が聞こえてきた。

「高橋社長が直々に雪子を迎えに行くなんて、本当に優しいわね!」

「二人が結ばれなかったなんて、本当に残念よ。あなたたちのせいで私、愛を信じられなくなったわ」

「あの時、高橋おばあさんが反対しなければ、今頃はもう子どもが何人もいたかもね!」

……

水原歩美はウェイターに下がるよう合図し、黙って高橋司の返答を待った。

しかし高橋司は何も言わず、鈴木雪子だけが小さな声で...

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