第42章

水原歩美は昨夜あまり休めず、目を覚ました時には顔色が少し憔悴していた。

彼女はベッドから起き上がり、バスルームで顔を洗い、身支度を整えてから寝室を出た。

リビングルームのテーブルには水原優子が残したメモが貼られていた。

会社に用事があり、先に出かけたとのこと。

朝食は水原優子がすでに用意しており、電子レンジで温めてあった。

水原歩美は心から感動した。やはり家族だけが、こんなにも細やかに彼女を気遣ってくれるのだ。

彼女は朝食を済ませてから、病院へ向かった。

すでに退職届を提出していたため、主任は水原歩美に患者の手術を新たに割り当てることはなくなっていた。

この...

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