第45章

水原優子の冷たい瞳に笑みが宿り、軽く鈴木雪子を一瞥した。

ただその一瞥だけで、鈴木雪子の体は硬直し、顔は青ざめ、ベッドの手すりをしっかりと掴む手も止めどなく震えていた。

高橋司の瞳の色が僅かに沈んだ。

高橋おばあさんは鈴木雪子の弱々しい様子を一瞥すると、顔に浮かぶ嫌悪感がさらに露骨になった。

所詮、器の小さい女だ。

水原優子のほんの少しの皮肉で、こんな態度を見せるとは、大舞台には到底立てない。

「優子の言う通りだわ」

水原優子は淡々と微笑み、

「だからおばあさま、もうお怒りにならないで。価値のないことですから。お送りしましょうか？」

高橋おばあさんは頷き、水原優子に支えられ...