第7章

彼女は鈴木雪子の病歴を見ていた時、入口からおばあさんの怒り狂う声が響いた。

「高橋司!」

水原歩美は慌てて扉を開けると、鈴木雪子が一方の手で高橋司の腕に絡みつき、もう片方の手ではスマホをいじりながら、のんびりとした様子でいるのが見えた。

高橋のお婆さんを見た途端、鈴木雪子は一瞬固まり、手に持っていた携帯の電源を切るのも忘れて、まだ彼女が追いかけているドラマが流れていた。

「おばあさま!」

彼女は柔らかな声で、まるで驚かされたような表情を浮かべた。

高橋のお婆さんは彼女の手がまだ離れていないのを見て、怒りが収まらなかった。

「あんた、彼がもう結婚してることを知らないのかい?こうし...

ログインして続きを読む