第9章

楓林山荘

高橋司は車を停め、二階の個室へと向かった。

ここは神原森也が経営する高級レジャー施設で、普段はY市の御曹司や金持ちの子息たちが集まる場所だった。

彼らの仲間内の根城でもある!

神原森也は専用の個室を用意していた。内装は豪華で、家具や設備はすべて海外から取り寄せたものだった。

彼は海外で二年を過ごし、帰国したばかりで仲間との集まりを企画した。高橋司に断る理由はなかった。

高橋司が入ってくると、皆がどよめいた。

「こんなに遅れてくるなんて、奥さんにベッドから出してもらえなかったのか?」

高橋司の瞳が一瞬暗くなり、さっきあの女が自分を見た目を思い出した。

側にいた加藤...

ログインして続きを読む