第46章 何で私と対抗するの

鈴木七海は彼女を冷ややかに見つめ、その口元に浮かぶ笑みは一層鋭さを増していた。

「自分の頭が本当に私より賢いとでも思ってるの? だとしたら、あなたは何で私に対抗するつもり?」

ドアが開いていたため、何人かの社員がすでにここの騒ぎに気づいていたが、遠巻きに見ているだけで、誰も仲裁に入ろうとはしなかった。

一方は七海さん、もう一方は南さん。二人とも中村社長の覚えがめでたい人物だ。どちらかが中村社長に一言でも告げ口すれば、自分たちがひどい目に遭うのは目に見えている。

それでも、ひそひそと状況を探る声はあった。

「七海さんが彼女の契約を差し止めたらしいぞ」

「それは公私混同とは言えないだ...

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