第39章

彼女は壁に寄りかかり、体調が極めて悪そうで、顔は青白く、絶え間なく吐き気を催していた。

だが何も吐き出せなかった。

池下誠はそれを見て、慌てて彼女を支えた。

「どうしたんだ?具合が悪いのか?」

桜井美也は彼の手を払いのけ、涙で潤んだ目で言った。

「さっき離婚すると言ったじゃない。なんでこんなこと言うの?」

池下誠は彼女の青ざめた顔色を見て、相当具合が悪いと察し、口調を和らげた。

「とりあえず家に帰ろう。この話はもういい」

彼は彼女の腰に手を回し、外へと連れ出した。

桜井美也は拒まなかった。玄関先で池下誠と言い争いたくなかった。両親に見られたら心配させてしまう。

彼女の結婚...

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