第41章

池下紫はとても驚き、残っているのは怒りと失望だけだった。

その時、池下誠が病室から出てきて、顔を上げると池下紫と桜井美也が一緒にいるのが目に入った。彼は礼儀正しく声をかけた。

「おばさん」

「声をかけないで!」

池下紫は怒りが込み上げ、池下誠に向かって一気に言い放った。

「あなた、まだ私をおばさんだと思ってるの?美也と離婚するなんて大事なことをどうして私に相談しないの?お祖父さんがあなたに言い聞かせたことを忘れたの?美也をしっかり大事にしなさいって。これがあなたの言う『大事にする』ってこと?池下誠、あなたは私が見て育ったのに、こんなに責任感がないなんて知らなかったわ。それで離婚だな...

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