第21章

「キャッ!」

張り詰めた空気を切り裂くように、鋭い悲鳴が響き渡った。

千早玲奈は怒りで気が狂いそうだった。

鷺沢雪紘は、トラブルの元凶でありながら彼の腕の中でぐったりと力なく崩れ落ちている水無瀬柚季を抱き上げ、大股で休憩室へと入っていく。

千早玲奈が追いすがろうとしたその時、アシスタントが立ちはだかった。

「どいて!」

アシスタントは、怒りに顔を歪める千早玲奈を冷静に見下ろした。

「千早さん、鷺沢社長のご機嫌を損ねたくはないでしょう」

その一言で、千早玲奈の囂々たる勢いは一瞬にして削がれた。

彼女は食い入るように閉ざされたドアを睨みつける。

二人は中に入っ...

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