第26章

出社初日、水無瀬柚季は不穏な空気を感じ取っていた。

企画部の同僚たちは誰一人として口をきいてくれない。柚季自身はさほど気にしていなかったが、向けられる視線には奇妙な色が混じっている気がした。

給湯室へ向かうと、ある女性社員が声をかけてきた。

「あなたが水無瀬柚季さんね? 私、優菜っていうの」

「はじめまして、優菜さん」

「すっごく美人ね」

優菜は柚季の整った顔立ちを眺め、瞳の奥に嫉妬の色を走らせた。

「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど。木下矢アシスタントとはどういう関係? わざわざ彼が案内して席まで用意するなんて、よっぽど仲がいいのね?」

来た。

これぞ職場の洗礼。...

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