第30章

昼休み、水無瀬柚季は社員食堂へ向かった。

スマホが震え、雨宮澪からメッセージが届く。

『見てよこれ。ママに無理やり見合いさせられてる。気まずすぎ』

続いて送られてきた画像には、テーブルの上のデザートが写っていた。

その隣に、男の手が添えられている。

指の節がすらりと長く、肌も白い。

まるで手タレのような美しさだ。

『顔は?』

『イケメン』

『いってみよう』

水無瀬柚季は親友の好みを熟知している。

彼女は極度の面食いだ。初恋の相手と付き合ったのも、結局は相手の顔がどストライクだったからに過ぎない。

そのせいで深く傷ついたというのに、未だに懲りていないらし...

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