第31章

土曜日。水無瀬柚季は手元にある金でまず光ちゃんの薬代を支払い、残った金で祖母が入る介護施設の手配を済ませた。

とりあえず、半年分の費用は前払いした。

祖母を迎えに行った際、そこには父と母の姿もあった。

だが、水無瀬柚季は二人を完全に無視し、祖母だけを連れて立ち去ろうとした。

水無瀬父が憤慨して声を荒らげる。

「これが俺の育てた娘か。父親である俺を無視して、挨拶ひとつなしか」

水無瀬母は冷ややかな視線を夫に向け、背を向けて部屋へと戻っていく。

「あなたが娘の心を傷つけたからでしょう」

その一言に、父は二の句が継げず黙り込んだ。

すべての手配を終え、水無瀬柚季は帰...

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